学会について
ご挨拶

一般社団法人日本喘息学会
理事長 東田 有智
2020年、一般社団法人日本喘息学会(Japan Asthma Society)を設立し、5年が経過しました。喘息は比較的一般的な疾患であり、日本では喘息患者の人数は推定1000万人とも言われています。喘息死が減少したとはいえ、喘息患者のうち約70~80%の人が完全にはコントロールされていないという調査結果もあります。
喘息患者を診断・治療・管理するには呼吸機能検査が必須であるとアレルギー学会等の各ガイドラインに記載されています。しかし喘息患者の約80%は御開業されている医師が、さらに、その約半数は呼吸器or/andアレルギー学会の非専門医が診療されており、呼吸機能検査はほとんど施行されていないのが現状です。こういう実態をふまえ、非専門医にもわかりやすく、日頃の診療において問診で喘息の診断が出来、治療もstepwise approachではなくtreatable traits approachですすめるような喘息治療実践ガイドライン(PGAM)を発刊し、現在まで2回の改訂を行い、多くの医師に大いに役立てていただいています。さらにそのPGAMを利用し、喘息診療に自信と責任を持っていただく為に、学会認定喘息専門医制度を立ち上げ多くの医師がその専門医を取得されております。さらに喘息治療に最も重要なのは吸入薬です。その手技についても「吸入療法エキスパートのためのガイドブック2023」という手引き書を発刊し、その内容を理解していただくことにより学会認定の吸入指導エキスパート制度も立ち上げました。Common diseaseである喘息治療がいつでもどこでも同じ医療が受けられ、喘息という病気の為に何らかの制限を受けることなく日常生活が送れることを切に願っております。
