お知らせ
新型コロナウイルス感染増加中の気管支喘息診療の注意喚起
2020.04.06学会員
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症については、国内において令和2年3月30日現在1,866名(厚生労働省報告)と増加し、 すでに感染経路の不明な患者が散発的に発生している状況です。 また、これら感染者の中には無症状病原体保有者も含まれ、パンデミックの状況では、COVID-19感染者を予測することは不可能な状況であり、 全ての医療者、患者さんへの感染のリスクが高い状況であると言えます。
皆様ご存知のようにコロナウィルスは飛沫感染、接触感染を基本にしており、COVID-19においても飛沫感染、接触感染が主な感染経路であるとされています。 米国CDCからの勧告では、COVID-19への曝露リスクが高い医療の一つに「ネブライザー治療」と記載がされています。 また、米国アレルギー喘息免疫学会であるAAAIに於いても、「エアロゾル化して感染伝搬させる可能性があるネブライザーは使用せず、 喘息治療はMetered Dose Inhaler(MDI)を用いることが適切である」と述べています。 従いまして、当学会としては喘息の診断、治療に於きまして、当分の間、以下の事を推奨させていただきます。
喘息発作治療については、ネブライザーではなく、pMDI(+スペーサー)を用いて短時間作用性β2刺激薬(SABA)を使用することが望ましい。 気道可逆性試験においても、ネブライザーでSABAを使用するのではなく、pMDI(+スペーサー)を用いて行う。 気道過敏性試験においては、メサコリンの希釈液をネブラーザーで使用するので、当分の間は行わない。 発作を起こさないように、長期管理薬であるDPIあるいはpMDIによるICS、ICS/LABAによる定期吸入を正しく継続する。 定期的なスパロメトリーは感染リスクを考慮して当分は延期し,どうしても行う必要がある場合には十分な感染対策を講じたうえで行わなければならない。
以上
一般社団法人日本喘息学会
